VoiceMeeter Banana備忘録

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PCのスピーカー出力とライン入力しか使ってこなかった者にはハードルが高いつらい。「VoiceMeeter Banana」で検索して出てくる解説記事の方が圧倒的に充実してて間違いもなくわかりやすいと思います。この記事は自分用です。

VoiceMeeter Bananaとは

PC上で動く仮想ミキサーです(寄付受付有)。PC内の音声(PC音、マイク音、音声出力デバイスを指定できるアプリケーション等)をまぜまぜ出来ます。

初期設定(Bananaを経由させてPC音をスピーカーに流す。ついでにマイクもBananaを経由させる)

インストールするとサウンド設定の再生/録音タブに「VoiceMeeter (Aux) Input/Output」が追加されます。VoiceMeeter Inputを規定のデバイスにすると、PCから出る音をVoiceMeeterの仮想デバイスにPC音を流すことが出来ます。 変更後はPC音が一時的に聞こえなくなります。今まで規定のデバイスにしていた再生デバイスをBananaの音声出力先に指定することで聞こえるようになるので、覚えておきましょう。

次にBananaの設定。

画面左半分、「HARDWARE INPUT 1/2/3」と「VIRTUAL INPUTS」から音声をBananaに入れることができます。

「HARDWARE INPUT 1/2/3」では基本的にマイク等物理的な音声入力を指定します(仮想音声デバイスを指定することも出来ますが、VIRTUAL INPUTSが埋まっている等特別な理由がない限り指定することはないでしょう)。

「VIRTUAL INPUTS」は仮想音声デバイス(入力)です。サウンドの再生タブでVoiceMeeter Inputを規定のデバイスとしておくと、VoiceMeeter VAIOにPC音が入ります(レベルメーターが動いているかで確認)。そのまま下を見るとA1~B2のボタンがあります。A1を有効にしましょう。

画面右、「HARDWARE OUT」では出力デバイスを指定します。最大3ヶ所指定できます。A1にスピーカー(今までサウンド設定の再生タブで規定としていたもの)を指定しましょう。これで、PC音が再び聞こえるようになります。

[WDM、KS、MME(、ASIO)]+デバイス名とデバイス一覧にずらっと並んでいますが、基本的にWDMを指定しましょう。ASIOはオーディオインターフェースが対応している場合表示されます。遅延が非常に少ないので、もしあったら喜んでください(私はありませんでした)。MMEは遅延が非常に大きいため、WDM等が使用できない場合に限り選択します(WASAPI(Banana内WDM)は排他的モードで動くため、Bananaを介さないスピーカー出力ができなくなる)。なお、Banana内ではWASAPIがWDM、WDM/KSがKSと表示されます。

画面内にA1、A2、A3、B1、B2と書かれたボタン、ラベルがたくさんありますが、これは

A1:HARDWARE OUT-1(ASIO対応。↑でスピーカーを指定した) A2:HARDWARE OUT-2 A3:HARDWARE OUT-3 B1:VoiceMeeter VAIO OUT(VoiceMeeter Outputに出力される) B2:VoiceMeeter AUX OUT(VoiceMeeter Aux Outputに出力される)

です。A1~A3は指定可能なBananaからの音声出力(物理、仮想問わない)、B1、B2は指定不可のBananaからの仮想音声出力という感じです。B1、B2に出力した音声は、OBS等音声をキャプチャできるソフトで取得できます。

今までの操作で行ったことは、[PC音]→[VoiceMeeter Input]→BananaにPC音取り込み(VoiceMeeter VAIOに入る)→A1に出力。A1にはスピーカーを選択しているので、スピーカーから音がでる。 です。

ここまでの設定で、Bananaを介した状態でPC音をスピーカーから聞くことができるようになっているはずです。これだけではBananaを導入した意味が全く無いので、もう少し色々弄ってみましょう。

マイク音に対して、VSTによる音声加工を行う。

使用するソフト

VSTHost

設定

  1. (Banana)ルーティングを以下のように設定します。
  1. (VSTHost)入力/出力デバイスの設定。Devices→Wave…を選択して設定を開き、以下のように設定します。 Bufferはとりあえず置いておきます(値を小さくすれば遅延が減りますが、小さくしすぎると音声が乱れます。音声が乱れない程度に小さい値を指定しましょう)。
  1. (VSTHost)VSTプラグインを読み込み、ルーティングを行います。ウィンドウ内へdllファイルをD&DやFile→New Pluginから読み込むことが出来ます。読み込まれたプラグイン、Input、Outputはボックスの形で表示され、ボックス内左上のチェーンマークからルーティングを設定することが出来るので、Input→プラグイン→Outputとなるようにつなぎます。また、ボックス内メーターのマークをクリックするとプラグインのGUIが表示されます。
  1. OBS、Skype、Discordなどの音声入力デバイスに「VoiceMeeter Aux Output」を指定します。これで、VSTエフェクトがかかったマイク音で配信、会話などが行なえます。RoVee等フォルマントやピッチを調整するプラグインを使って女声にすることも出来ます(声質に大きく依存します。私の声では聞くに堪えないものになりました。悲しい。)。

VSTHostの入力をマイクにすれば簡略化できるかと思いましたが、その場合出力に変換前のマイク音も入ってしまうようで…。

(2018/10/21追記)先程試したらInputをマイクにしても変換前の音声が入ることはありませんでした。どこかにスピーカー音に出力する設定が残っていたのかもしれません。

ゲーム音(PC音)とマイク音やDiscord等の会話相手の声、棒読みちゃん等出力デバイスを変更できるソフトを分離する

PC音とマイク音やDiscord等の会話相手の声、棒読みちゃん等出力デバイスを変更できるソフトを分離することで、例えば配信時、

Discordにはマイク音 スピーカーにはPC音、Discord等の会話相手の声、棒読みちゃん 配信にはPC音、マイク音、棒読みちゃん 録画にはPC音のみ

といったことが出来ます。

使用するソフト

仮想オーディオデバイス3つ(この記事ではYAMAHA NETDUETTO、VirtualAudioCable、WsAudio_Deviceを使用。)

設定

仮想オーディオデバイスをインストールし、下図のようにBananaを設定します。 Bananaで完結+可能な限りBananaから音量バランスを細かく変更できるという条件で作成。条件を変えれば簡略化できるのでいろいろ試して見てください。 (なお、3種類の仮想オーディオデバイスはそれぞれ遅延量が異なります。環境にもよりますが、NET DUETTO<VirtualAudioCable≦WsAudio_Deviceという感じです。)

配信ソフト側のミキサー設定(OBSを例とする)

A2:棒読みちゃん A3:マイク B2:PC音

あとは、OBSの「オーディオの詳細プロパティ」で配信にのせたい音声、録画にのせたい音声を選択しましょう。配信にはA2、A3、B2を、録画にはB2のみ選択すれば、マイク音、相手の会話、棒読みちゃんを除いたPC音で録画できるようになります。

ゲーム音とPC音を分離し、録画にPC音が入らないようにする(出来ない場合あり)

ゲーム音とPC音を分離することで、スピーカーにはゲーム音含むPC音、録画ではゲーム音のみ録音、とすることが出来ます。ゲームによっては設定ができません(例えばBloodstained Curse of the Moon、Google Chrome、Internet Explorer、Firefoxはできませんでした(できる人もいるようですが…)。暫定的な対処法は下部に記載しましたが、超ゴリ押しです。なにか良い案があれば…)。

使用するソフト

AudioRouter

設定

  1. (VoiceRouter)VoiceRouterを起動すると、起動している、かつ音のなるアプリケーションの一覧が表示されます。表示されていない場合は、音を鳴らすと表示されると思います。

ここでは、CloudbuiltというSteamのゲームに対して設定していきます(Cloudbuiltはパルクールアクションゲームです。楽しいよ。)。 以後、分離したいアプリケーションをCloudbuiltと記入します。

  1. Cloudbuiltの下にある「▼」をクリックし、Routeを選択。設定画面が開くので、「VoiceMeeter Input」を指定してOK。

CloudbuiltがVoiceMeeter Inputの枠に移動します。Default Audio Device = VoiceMeeter Inputなのですが、Audio Router内では別扱いになるようです。

  1. もう一度Cloudbuiltの下の「▼」をクリックし、今度はDuplicateを選択。設定画面が開くので、「VoiceMeeter Aux Input」を指定してOK。

CloudbuiltがVoiceMeeter InputとVoiceMeeter Aux Inputに表示されました。

  1. (Banana)適切にルーティングします。

VoiceMeeter Input(VAIO)には全てのPC音、VoiceMeeter Aux Inputにはゲーム音のみが流れています。 VoiceMeeter Input(VAIO)の出力をA1(スピーカー)、VoiceMeeter Aux Inputの出力をB1(VoiceMeeter Output)とし、VoiceMeeter Outputを録画ソフトで指定すれば、スピーカーからゲーム音含む全ての音を聞くことができ、録画にはゲーム音のみが入る状態になります。

Audio Routerで出力デバイスを変更できないゲームやアプリケーションもあります。その時は諦めましょう(どうしても…!というときは、ゲーム以外のデバイスの出力を全てVouceMeeter Aux Inputに変更し、それをスピーカー出力するようにすれば、システム音以外はなんとかなると思います。確認した出力先変更可能なソフトは、ブラウザ…Vivaldi、ミュージックプレイヤー…MPC-HC。マイク音やDiscord、棒読みちゃん等出力先が自前で変更できるものは、そちらで設定を変更。システム音はミュートにでもしておきましょう。)

※イラストは「いらすとや」の絵を使わせていただきました。